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生産の匠生産・量産の匠
縁の下で支える存在
2004年入社
生産・購買部 チーム長
「できて当たり前」を実現する
業務の目指すところは?
購買業務の達成目標は、お客さまに対しては最適なコストで納期どおりに製品を供給することです。
それは「できて当たり前」かもしれませんが、モノづくりの現場においてはトラブルがつきもの。部材の供給状況の悪化や納期遅延、急な所要の変化などは日常茶飯事で、毎日何か課題が発生している状況です。それらを一つ一つ解決して、お客さまのビジネスが円滑に行われるための、いわば縁の下で支える存在になれればと努力しています。
また、一口にコストといっても、ただ安ければ良いというわけではありません。一点物の工芸品ではなく量産品ですので、品質や調達安定性を考慮した部材選定やご提案も重要な業務と考えています。
所属する業務の役割をおしえてください。
主な業務は「調達」「納期管理」「在庫管理」となります。
弊社はファブレスメーカーですので、外部の協力工場さまへ製品の生産を依頼し、購入した製品をお客さまへ納品します。生産に必要な部材は工場さまで調達いただくものもあれば、弊社が支給するものもあります。部材の入手ルートや品質管理、
価格交渉など…諸条件を考慮して弊社が調達した方がメリットがあると判断した場合は、部材手配も購買の業務となります。そうなると、工場さまの生産が滞りなく行われるように部材の納期や在庫状況の管理をシビアに行わなければなりません。
部材は1~2週間で入手可能なものから、数カ月かかるものもあります。特に専用設計品は材料手配から入るため時間がかかりますし、また汎用品であっても市場の需要動向に影響をうけますので、いつでも同じ納期と価格で購入できるとは限りません。
さまざまな条件を考慮して納期の異なる部材を、生産計画に沿って不足なく調達するのはなかなか容易ではありません。
そこで機会損失を避けるために、ある程度将来の製品需要を予測して発注したり、また市場が安定しているときにまとめ
発注を行いたいところですが、むやみに在庫を増やすわけにもいきません。保持するだけでも倉庫管理等の費用がかかりますし、売れ残れば無駄となります。
適正な数量を、適正またはそれ以下のコストで仕入れれば、会社の収益に貢献しますが、逆の場合はマイナスに影響してしまいますので、非常に責任の重い業務です。
納期と在庫のバランスをとってリスク管理を行う、というのは簡単ではないのですが、リスク最小化の努力としてお客さまの製品所要のヒアリング、商社さまや部材ベンダーさまからの業界動向の収集、工場さまとの生産・納品計画の調整など、関係各所とのコミュニケーションは不可欠です。
こうした対外的な窓口業務が一番重要だったりします。
主体的に動いてモノづくりを実現する
具体的にどのような業務をしていますか?
現在、メインの担当案件は移動型カラオケ機器です。お客さまや協力工場さまとの生産・納品計画調整、生産に必要な部材発注と納期管理、在庫管理が業務となります。
移動型カラオケ機器は木工や板金、樹脂成型品、ハーネスなど専用設計品が多く、一般に流通している部材の方が少ない
くらいです。
一般流通品であれば工場さまで調達をお願いしたり、弊社で購入するにしても数社のベンダーさまから相見積を取って価格とサポート面などから最適な仕入先を選定することもできます。しかし、専用品の場合は特殊な技術やノウハウを持った企業さまを探すことから始めるため、場合によっては引き受け手がなかなか見つからなかったり、価格交渉が難しいこともあります。
そのため専用品の調達は弊社が行うという形です。
専用品は納期に時間がかかるため、先々を見越した生産計画をお客さまと相談しながら進めていく必要があります。
特に、コスト面からメイン部材の生産は中国で行っているのですが、旧正月(春節)の季節は1カ月~2カ月程度供給がストップしてしまいますので、年末年始の調達は特に気を使います。
また、メイン担当案件以外では購買チーム全体のサポートや、効率化のための仕組みつくりに力を入れています。例えば「お客さまからの納品依頼を受けて工場さまへ出荷指示を出す」といった業務は日常的に行われているのですが、指示書を一つ一つ作成して送信する作業を手入力で行っていると記載ミスの危険性もありますし、何よりも時間がかかります。
そこで、出荷指示の作成から送信までを自動で行い、人間は内容のチェックだけを行えば済むようツールを作成したりしています。
課題はお客さまごとにそれぞれビジネス習慣や取り決めごとが異なりますので、案件に紐づいた業務が非常にカスタマイズされていることです。場合によっては手作業でやったほうが早いということもあるのですが、やはり生産性と正確性を上げるべきですし、何より事業継続性の問題があると考えています。業務フローを整理し、手作業を削れる箇所はツールなりでサポートするということを地道に取り組んでいるところです。
これまでの実績は?
購買チームに配属されて今年で4年目です。それまではソフトウェアのテスト業務という、まるで畑の違うことをやって
いました。
業務で使用する用語も異なりますし、電子部材やメカの知識も皆無に近かったため、正直不安でした。ユビテックにはこの道何十年のベテランの方もいますので、自分に不足しているものは助けていただきながら、なんとか続けられています。
「匠」という言葉はたいへんおこがましいな、というのが素直なところなのですが、以前の業務でもお客さま
との窓口を担当したり、テスト結果の自動集計ツールを作成するなど業務効率化の取り組みを行っていましたので、経験を生かせることはきっとあると前向きに考えるようにしました。
現在のメイン担当案件である移動型カラオケ機器が初となります。最初は引継ぎ業務をこなすので精一杯でしたが、4年の間にモデルチェンジがあり、その際に部材選定やベンダーさまとの交渉など自ら主体的に動いてモノづくりを実現する機会をいただきました。
また、他の案件でも新規委託先さまの立ち上げなどに携わってきましたので、着実に購買業務の実績は積めている、という自負はあります。
省力化を進めて生産的な業務に集中し、サービス向上に費やす
今後の展望は?
購買が果たす役割として、お客さまに対しては納期責任を果たすこと、会社に対しては収益に貢献して無駄を出さないことという原則を今後も守っていくことが務めだと思っています。
納期管理や在庫管理は「できている状態が当たり前」ですが、当たり前を実現するのは容易ではなく、現在そこに多大な
マンパワーを投入している状況です。今後は、省力化を進めて生産的な業務に集中できる環境を整えていきたいです。
省力化イコール無人化というわけではなく、その分取引先さまへのサービス向上に費やすことができればと考えています。